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ただの雑記です。よっぺまと読みます。

日産リーフe+に試乗した感想。

日産自動車が2017年から販売している電気自動車の「リーフe+」に試乗する機会があった。過去、初代リーフに試乗したことがあったが、2代目リーフに試乗する機会がなかったので常々乗りたいと思っていた。試乗してきた感想を記す。

試乗したLEAF e+。色はラディアントレッド。

2代目のリーフとリーフe+の違い

そもそも2代目リーフには、「リーフ」と「リーフe+」という2つのモデルがある。大きな違いは、搭載しているバッテリー容量である。

  • 「リーフ」は40kwh
  • 「リーフe+」は62kwh

上記の通り、20kwhほどバッテリーの大きさが異なる。バッテリー容量の大きさは走行可能距離に影響があり、燃費を測る国際規格であるWLTCモードでリーフは322km、リーフe+は458kmというカタログスペックとなっている。つまり、リーフe+の方が140kmほど長く走行が可能である。

また、モーターの最大出力も異なる。リーフが150馬力、リーフe+は218馬力。当然、価格も異なり、上位グレードの「G」で比較すると、リーフが399万円、リーフe+が472万円とのこと。

リーフe+に乗ってみて

まず、前方の視界が良く、車幅が広過ぎない感覚を受けたので、運転していて安心感があった。コントロールしやすそうとでも言えば良いか。

車両のサイズは、全長4480mm、全幅1790mm、全高1545mm。ホイールベースは2700mmなので、いわゆる「Cセグメント」の車である。車格としては、下記と似ているようだ。

  • トヨタの「カローラスポーツ」
  • ホンダの「シビック ハッチバック」
  • マツダの「マツダ3」
  • スバルの「インプレッサ スポーツ」

リーフe+は、日産のノートe-Powerやホンダのフィットといった「Bセグメントのコンパクトカー」よりは一回り大きいサイズなのだが、あまり扱いにくさを感じない車であった。好印象。

次に、リーフe+は遮音性が高く、静粛性に優れていた。エンジンがないので、当たり前だがエンジン音がしない。スイッチをONにしても、静かに発進が可能となる。これが電気自動車と言われればそれまでなのだが、とても不思議な乗り物という印象であった。面白い。

実際、走り出しても、風切り音とロードノイズが少し聞こえるだけで、ストレスを感じなかった。道路状態が良いと、ロードノイズさえもほとんど聞こえないだろうと思われる。逆に言うと、エンジン音って結構聞こえてきているものなのだなと再認識した。エンジン音が高揚感に繋がるところもあるので、電気自動車でどのようにユーザーに高揚感を感じさせるかが、今後の課題となってくるような気もする。もう少し、モーター音を聞こえるように味付けするとかだろうか。このあたりは、日産以外の自動車会社がいくつか電気自動車を生産・販売しないと発展しない点のように思う。

また、リーフe+の車両重量は1680kgもあるそうだが、車両の重さをあまり感じなかった。モーターは、エンジンに比べて最大トルクを低速から発揮できることもあるだろうが、鈍重さとは無縁。軽快に走り始めたので驚きであった。モーターって凄いな。最大馬力も200馬力を超えているので、走っていて力強さがあった。

あと、装備されているカーナビは7インチらしいが見やすかった。バック走行時には、後方部分のカメラ映像と、360度の合成映像がそれぞれ映し出されたが、ガイドライン表示も含めてわかりやすかった。リアビューカメラは便利。その他、追い越しなどで斜め後ろを確認する際、サイドミラーによるブラインドスポットモニターも便利で安心だった。

日産のプロパイロットを体験してみて

高速道路では「プロパイロット」を体験する機会にも恵まれた。プロパイロットは、運転支援システムの一つであり、「前方車との車間距離を保ちつつ、一定の速度で走行を行う。前方車が加減速すれば、あわせて加減速する。かつ、車線の中央を走るようにハンドル操作の支援も行う」といった感じである。

短い距離ではあったが、予想以上にスムーズな加減速を行ったので快適であった。このあたりは、さすがモーター、といった感じ。加減速が滑らかなので違和感が少なく、ストレスを感じにくかった。

ただ、車線中央をキープするためのハンドル操作支援は、少しぎこちないように感じた。このあたりは好みの問題だろうか。今後のブラッシュアップに期待したいところ。

また、駐車支援を行う「プロパイロット パーキング」も試すことができた。綺麗に引かれた白線の駐車場であれば、比較的すんなりと駐車してくれたのでビックリした。技術の進歩ってすげー、と感心。

ちなみにスタッフさんに聞いたところ、白線が薄い駐車場や機械式駐車場の場合は、プロパイロット パーキングでの駐車は困難とのこと。そりゃそうだろうなぁと思いつつ、今後の実現を期待したい。

初代リーフと乗り比べてみて

初代リーフにも過去試乗したことがあるが、2代目と比べてみると、下記のような感想である。

  • スピードメーターは、初代のデジタルの方が好み。アナログメーターの方が確認しやすいが。
  • エクステリアは、2代目の方が好み。ただ、初代の近未来を感じさせる形を継続しても良かったかも。
  • 初代の青色エンブレムが、2代目で無くなったのは残念。
  • 静粛性の高さや走りの力強さは、2代目の方が好み。

2代目リーフについては、「電気自動車はフツーの乗り物だよ、そんなに未来の乗り物ではないんだよー」という意思・方針が、日産にはあるように感じられる。初代にあった近未来感が薄れているのも、そのせいなのだろうと思う。それで良いと思う反面、もう少し未来感・特別感があるといいなとも思う。さすがに300万円を超える車なので、スペシャルなことを感じられる何かがあると良い。

さいごに

現時点のガソリン車やハイブリッド車と比べると、電気自動車を取り巻く環境の課題はまだまだあるように感じる。

  • 充電場所の数が少なめ。ガソリンスタンドも減ってきてはいるが。
  • 充電に時間がかかる。さすがに給油のように数分では終わらない。
  • バッテリーの劣化による走行可能距離の減少。下取り価格の低下にもつながってしまう。
  • 車種数の少なさ。選択肢が少ないのは悲しい。

ただ、リーフe+で最大450kmほど走行できるわけなので、通常の走行であれば十分とも言える。今後、日産からリーフ以外の電気自動車の販売も期待したいし、他社メーカーからの生産・販売の流れにもつながってほしい。エンジンも楽しいが、モーターで走ることも楽しい。選択肢が増えていくと良い。

というわけで、おしまい。