車の先進運転支援システム(ADAS)が好きな、よっぺま(@yoppema)です。
ADASは、Advanced Driver-Assistance Systemsの略で、先進運転支援システムを意味する。いきなり何の話だというところだが、例えば自動ブレーキ(正確には衝突被害軽減ブレーキ)などはADASの一つであり、車を安全に運転する手助けをしてくれるものである。ADASの概要はWikipediaを参照のこと。
- ADASは進歩が目覚ましい
- ブラインドスポットモニターとは
- マツダ車に対するBSMの搭載状況
- トヨタ車に対するBSMの搭載状況
- スバル車に対するBSMの搭載状況
- ホンダ車に対するBSMの搭載状況
- BSMの代替システムの「リアカメラ de あんしんプラス」
- 「リアカメラ de あんしんプラス」は雨に弱い
- まとめ
ADASは進歩が目覚ましい
ADASは、各自動車メーカーが力を入れている分野の一つであるため、成長・進歩が目覚ましく、見ていて非常に面白い。知的好奇心を刺激する新技術が生まれているおかげで、車をもっと安全かつ楽に運転できるようになっている。それは、より遠くへ簡単に移動できるようになっているわけで非常に素晴らしいものだと思う。
すべての道路に対する完全な自動運転が実現するのは非常に遠いだろうが、高速道路では自動運転に完全に任せてしまえる時代は近いものだと思っている。実際、ADASが備わっている車の場合、半自動運転のようになってきており、高速道路でのドライブは安全かつ楽になりつつある。
車にそういう支援システムは不要だという意見もあると思うが、人間は完璧ではないし、少しでも交通事故を発生させる確率を下げるためには、ADASは積極的に活用していくのが大事だと個人的には思っている。
ブラインドスポットモニターとは
さて、ADASの一つに「ブラインドスポットモニター」(BSM)という技術がある。これは、一般道や高速道路などで複数車線を走っている場合に、安全な車線変更を行うために役立つ支援システムである。わかりやすいイメージとして、マツダの公式動画がYouTubeにあるので下記に貼っておく。
上記のとおり、自車の後方にセンサーが取り付けられており、接近する他車を検知してくれる。車線変更時にサイドミラーと目視での確認だけでなく、センサーも補助してくれるため、より安全に車線変更できるようになる。特に、夜や雨・雪など視界が悪いとき、ロングドライブで疲れが溜まり集中力が落ちているとき、などに助かるだろう。
マツダ車に対するBSMの搭載状況
マツダは、ADASに力を入れている自動車メーカーの一つであるが、このBSMを全車種に搭載しているのは素晴らしいことだと感心する(マツダの場合、「ブラインドスポットモニタリング」という名称である)。
もちろん、他社に比べて車種数が少ないからできることとはいえ、あのロードスターにまで搭載しているのは正直驚く。安全にスポーツドライブを楽しんで欲しいという姿勢の表れなのだろう。
トヨタ車に対するBSMの搭載状況
トヨタでは、BSMのことを「ブラインドスポットモニター」と呼んでいる。BSMを搭載できるトヨタ車は下記のとおり。
クラウン、カムリ、アルファードおよびランドクルーザーといった高級車・大型車は、そもそもの車両価格が400万円以上であるため、選択できる車両装備が豊富な傾向にある。そのため、BSMが搭載できること自体はそこまで驚きではない。
感心するのは、BセグメントとCセグメントの車でもBSMを搭載できることであろう。
- ヤリス
- ライズ
- カローラ
- カローラツーリング
- カローラスポーツ
- C-HR
- プリウス
特に、ヤリスやライズといった200万円代のコンパクトカーでも妥協なくBSMを搭載できることは素晴らしいと思う。
スバル車に対するBSMの搭載状況
スバルでは、BSMのことを「スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)」と呼んでいる。「アイサイトセイフティプラス」というメーカーオプションを選択すると、その一部の機能として「スバルリヤビークルディテクション」を設定できるようだ。
スバルの場合、トヨタと違ってスバル全体の「アイサイトセイフティプラス」のWebサイトページはないようだ。車種ごとに「アイサイトセイフティプラス」のページが存在する形となっている。内容自体は、どの車種でも基本的には同じ作りとなっている。
スバルでのBSMを選択できる車種は下記のとおり。
- インプレッサスポーツ
- インプレッサG4
- XV
- レヴォーグ
- WRX S4
- フォレスター
- レガシィB4
- レガシィアウトバック
主要なスバル車にはBSMを搭載できるので、こちらも力を入れていることがわかる。好印象である。特に、価格的に手が届きやすいインプレッサスポーツ・インプレッサG4でも選択できるだけでなく、スポーツセダンとして有名なWRX S4でも安全支援装備を選択できるのは良いことだと思う。
ホンダ車に対するBSMの搭載状況
さて、ようやく本題と言えるホンダ車である。
ホンダの場合、BSMを「ブラインドスポットインフォメーション」と呼んでいる。
ここでの問題は、BSMの搭載車種が少ないことが挙げられる。
- インサイト
- アコード
- CR-V
- オデッセイ
- レジェンド
基本的に300〜400万円代以上の、ホンダの中では高価格帯の車でしか、BSMの搭載を選択できないのである。ホンダの安全運転支援システム全体を指す「ホンダセンシング」には含まれていないため、あくまでブラインドスポットインフォメーションの搭載は特定の車種でしか選択できないのだ。これは非常に残念なことだと思う。
2021/02/19(金)追記:
新型ヴェゼルの上位グレードでは、ブラインドスポットインフォメーションが搭載されることになった(ホンダの新型ヴェゼルが発表されたので感想を述べる)。とても喜ばしい!
2021/07/01(木)追記:
新型シビックでは全グレードで、ブラインドスポットインフォメーションが搭載されることになった(新型シビック(11代目)が発表されたのでシャトル乗りが感想を語ってみる。)。とても喜ばしい!
BSMの代替システムの「リアカメラ de あんしんプラス」
その代わり、ホンダでは代替として「リアカメラ de あんしんプラス2」というものは選択できる。これは、センサーではなくリアカメラによって車線変更時のサポートをしてくれるものだ。
良心的な価格でフィット、ヴェゼル、シビック、N-BOXなど、多くのホンダ車で選択できる。その企業姿勢はとても良いことだと思うし、実際に自分はシャトルハイブリッドに搭載して使用している。
基本的には、リアカメラ式でも問題なく他車の接近に反応してくれるため、車線変更時に助かっている。それならば、別にセンサー式のブラインドスポットインフォメーションでなくてもよいのではないか?と思われるかもしれないが、リアカメラ式では動作しないシチュエーションがある。
「リアカメラ de あんしんプラス」は雨に弱い
困ったことにリアカメラ式であるため、雨に弱いのである。小雨ならともかく、普通に雨が降って水滴がカメラに付着すると動作が停止してしまう(カーナビ上で赤色のアイコンに切り替わるため、動作停止が判断できる)。豪雨になると、ほぼ役に立たない。悪天候こそ役立ってほしい安全支援システムなので、個人的には致命的だと感じている。また、試してはいないが、おそらく雪や霧にも弱いだろうと思われる。この点は、リアカメラ式の欠点だ。センサー式の方が天気に左右されないという意味で信頼性が高いと感じている。
だからこそ、ホンダ車のフィット、N-BOXといった売れ筋の車種でもBSM(ブラインドスポットインフォメーション)の搭載を選べるようにすべきと思う。仮に、高価格になったとしてもオプションの選択肢がないこと自体が残念である。
次に車を買い替えるときには、ホンダ車でもBSMを選べるようになっていて欲しい。
まとめ
ADASの一つであるBSMの需要は、世の中的にも年々高まっていると感じている。目視だけでなく、センサーで後方の他車を検知して、安全に車線変更を実現できる支援システムは重要であると思う。
マツダやスバルのように、車種数が少ない自動車メーカーは全車種への搭載を実現しており、かつトヨタも多くの車種でBSMを搭載できるように注力している。
だからこそ、ホンダでもリアカメラ式からセンサー式のBSMを搭載できることを目指して欲しいと考えている。色々事情はあるのだろうが、技術的に実現できないわけではないだろうと思うのでコストの問題なのであろう、きっと。期待している要素の一つだ。
というわけで、おしまい。