はてなインターネット文学賞「わたしとインターネット」
よっぺま(@yoppema)です。
上記のお題が面白そうだったのと、せっかくの夏休みなのに新型コロナウイルスの影響で、今年も帰省もできないしどこにも出掛けられないので、暇つぶしの意味で書いてみます。
インターネットとの出会い
「わたしとインターネット」が出会ったのは、おそらく1998年頃だと思われます。確か、父親が1996年頃に購入したNECのデスクトップPCを、自宅の電話回線(ダイヤルアップ)に接続してYahooに繋がったのが始まりだったと記憶しています。中学生になったあたりでしょうか。
夜、ピーピーガーガーというけたたましい音を立てながら、ゆっくりゆっくり自宅からインターネットの世界に繋がっていたこと思い出します。IE上に徐々にYahooの画面が表示されてきたことが懐かしいです。当時のWebサイトなんてそこまで数が多くなかったはずなので、確かYahooに「カテゴリ」の欄があってそこにWebサイト(ホームページ)が一覧化されていたはずです。今じゃ無数にWebサイトがあるから有り得ない話ですが。
また、電話回線を使うため、その間は我が家の固定電話を使用できません。そのため、電話が掛かってこない夜にだけ利用できるものでした。今じゃ考えられませんが、当時はそれが当たり前でした。しかも、従量課金だったので使い放題じゃなかったわけです。電話代が高くなるので我が家では1時間くらいが利用上限だった気がします。速度も56Kbpsだったようなので、現在のフレッツ光の1Gbpsで使い放題なんて、雲泥の差ですね。月とスッポン。
ちなみに、ダイヤルアップの接続音ってYouTubeにあるのですよね。YouTubeすげー。こういう知の共有ができるのは、インターネットの凄いところです。そして懐かしい。
ダイヤルアップの接続音
インターネットを使って何をしていたかというと、当時興味を持ち始めたプロ野球と松坂大輔の情報を検索して調べたり、ハマっていた「実況パワフルプロ野球98開幕版」の攻略情報を調べたり、当時好きだった優香などのグラビアアイドルの公式ホームページにアクセスしたり、そんなことをしていたはずです。
そのおかげで「Yahooで検索する」という行為も覚えましたし、画像を表示させようとするととにかく遅いので待つことも覚えましたし、パソコンの起動方法とシャットダウン、マウスとキーボードの操作も覚えました。パソコン=インターネットができる箱、ということを理解したのが、インターネットとの出会いだったんだろうと思います。
その後、実家のパソコンは一度買い替えてWindows 95からXPに変わったこと、ダイヤルアップからフレッツ光に変わったことが1998~2003年頃の変化だったと記憶しています。世の中的にも2000年以降に、徐々にインターネットが浸透し始めたような気がします。
大学生とYahooジオシティーズ
その後、大学に進学したので実家を出て一人暮らしを始めました。YahooBBと契約して、ADSL回線でインターネットができるようになったのもこの頃です。2Mbpsしか出なかったのですが、それでもそこそこ活用できました。
とにかく暇だったのでインターネットの世界を、毎日のように泳いでいました。2ちゃんねるを知ったのもその時期でしたし、GoogleやYouTube、Wikipediaを知ったのもその時期だったと思います。本を読むような感じで、電子の世界に浮かぶテキストを読むという行為が楽しかったことを思い出します。ひたすら読むだけという、あまり生産性がない気もしますが、暇な大学生にとってはとても良い暇つぶし道具だったわけです。
外出時でも電車に乗っていても実家に帰省しても、いつでもどこでもインターネットがしたいなと思ったし、持ち運べるインターネットに繋がる箱があれば便利だなーと思ったのもそのときでした。それは結局2010年頃にiPhone=スマートフォンとして実現化されて、あっという間に世界中の人々の手に収まるわけですが。それくらい便利なんですよね、インターネットって。
さて、電子の世界に浮かぶテキストを読むという行為をある程度やったあとで気づくわけです。
「どうやってこの人たちは、電子の世界にテキストを浮かべているのだろう?」
2ちゃんねるには、書き込むフォームがあったのでそこに書けばテキストが電子の世界に浮かぶのであろうということは、ぼんやりながら理解できます(実際アングラな世界が怖くて、ずっとROM専でしたが)。でも、2ちゃんねる以外の、いわゆる個人ホームページはどうやっているのでしょうか?
暇な大学生ですが、一応「Yahooで検索する」という行為は理解していました。なので、調べるわけです。「ホームページ 作成方法」なんてキーワードで。
調べた結果、ホームページ作成ソフトというものがあることを理解しました。なるほど、世の中には便利なソフトウェアがあるのだな。でも、お金が掛かるようです。貧しくクレジットカードを持っていなかった暇な大学生にはそれを支払うお金などありません。諦めかけたところ、YahooBBと契約しているためプレミアム会員であることを思い出します。調べたら、「Yahooジオシティーズ」なるものが利用できるではありませんか、無料で。
「Yahooジオシティーズ」を利用すれば、ホームページ作成ソフトが使用でき、ホームページのURLも取得でき、自分でもホームページが作れるようです。そのことに気づいた暇な大学生は無我夢中でホームページを作ろうと試みました、コンテンツも何もないのに。
でも何故か諦めず、試行錯誤の結果、ホームページが作成できました。自分だけの電子の庭ができたわけです。コンテンツは何もないと困るので、自作の詩やデジカメで撮った写真を掲載してみました。大したものを制作したわけではありませんし、アクセス数なんて雀の涙だったと記憶しています。
でも、楽しかった。
よくわからないけど、自分でも電子の世界にテキストを浮かべることができた。それが難しかったけど楽しかったし、面白かったのです。日々新しいことができる、試行錯誤するという行為そのものが面白かったんだろうなと思います。良い経験ができたと思いますし、今は亡きYahooジオシティーズには感謝しかありません。この経験によって、その後の人生が決まったので、人生何があるかわからないものです。
ちなみに、その後のホームページのメンテナンスにおいては、Yahooジオシティーズの作成ソフトではなく、Windows標準のメモ帳でHTMLのタグ打ちをしました。HTMLやCSSを理解したし、タグという概念も理解しました。また、ペイントやPhotoshop Elementsを使って写真を加工することも経験しました。大学生にとってはPhotoshop Elementsは高価だったし全然使いこなせなかった記憶しかありませんが、こういう便利なものが存在するということを体験できたのは有意義でした。
のちの妻と出会う
さて、個人ホームページを持ったあとで細々と運営していくと、似たようなコンテンツを作っている人とオンライン上で交流する経験もします。BBSという掲示板を使ったり、拍手機能を使ったり、メールを使ったり、しながら交流を図っていきました。相互リンクなんてこともしたりして、非常に懐かしいなと思いますし、15年前のことをよく覚えているなとも思います。
そんな交流をしていくと、当然ながら気が合う方々と出会うことがありました。趣味嗜好が似ていると結構、話が盛り上がるわけです。そんな中で、さらに偶然オフラインでも会うケースがありました。そこで出会った結果、なんだかんだで意気投合して付き合い、結婚までたどり着いたのが、のちの妻となる女性でしたので、人生何が起きるかわからないものです。遠方に住んでいた妻には、インターネットが無ければ絶対に出会えなかったでしょう。本当にインターネットのおかげで結婚できましたので、インターネットには感謝感謝です。
ちなみに、2021年の20~30代の方々にとっては「オンラインでの婚活」が市民権を得ているようですが、自分の場合は15年以上先取りしていたようです。我ながら凄いなとか思いました。
脱線ついでになんですが、「オンラインでの婚活」ってうまくいくものなのですかね?やったことがないのでわかりませんが、いきなり「勤務先、年収、年齢、見た目」なんてものから入ると、なかなか合わないのではないかなとか思いますが、どうでしょう?だって、年収とかいわゆるパラメーターであり、年収300万円よりも400万円がいいし、500万円がいいわけですよね?もっというと、800万円がいいし、1000万円がいいし、2000万円がいいし、最終的には5000兆円が欲しいわけじゃないですか?別にそれでもマッチングできるならそれでいいですけど、色々な意味で数値化されて如実に多い少ない(良い悪い)が可視化されて比べられるのってお互い辛いだろうなーって感じます。なので、「趣味、好きな食べ物、犬派と猫派」あたりから入った方が良いんじゃないの?とか勝手に思ってしまいます。よくわかっておりませんけど。
脱線しすぎたので、ちょっと本筋に戻します。
IT系の会社に就職する
個人ホームページを作成することで、パソコンに向かって試行錯誤することは意外と楽しいと感じたこと、インターネットを含むITの世界はまだまだ便利になり発展していきそうなこと、彼女(のちの妻)ができたのでちゃんと就職して働かないといけないこと、といったことを思ったので、IT関係の業界に絞って就職活動をしました。
その結果、IT系でドキュメントを扱う会社に無事就職できました。そのまま必死に仕事をすることで、ITのことが少し理解でき、文章も少し上手に書くことができるようになり、ちょっとだけ出世し、心身をぶっ壊して回復したりしながら、気づけば30代も折り返したオッサンになったわけです。その間、結婚もして子供たちも生まれて、車とマンションも買い、今に至ります。
インターネットに繋がる箱は、気づけばiPhoneの手の平サイズにまで変化し、世界中の人がテキストだけでなく、写真や動画といったリッチコンテンツを、自宅だけでなく電車の中でも山の上でもどこでも電子の世界に浮かべるようになりました。本当に、この20年の進歩・変化は大きかったですし、すげー時代を生きているなとしみじみ思います。
個人的には、ちょうどインターネットの黎明期を味わえたおかげで、インターネットを理解しようと試みることができたし、個人ホームページを作ることで試行錯誤の重要さを体験できたのは、本当に幸せだったというしかないです。そのおかげで妻とも出会えましたし、就職もできました。
正直、今の若者やこれからの若者はインターネットが当たり前に存在しているからこそ、中身を理解する過程を経なくてよいので、より先に進める反面、よくわかろうとしなくても先に進めてしまうんだろうなと思います。車のMTがわからないまま、自動車免許を取っても不便がないように。それが良い悪いではなく、そういう環境ですし、それでよいと思います。それだけ時代が変わった証拠でしょう。
ただ、自分にとっては激動の時代を多少でも経験できたのは幸せでした。
まとめ
タイトルのとおり、「インターネットのおかげで就職して結婚できました。」です。
インターネットが無かったら、きっと就職できなかったでしょうし結婚できなかったでしょう。それは冗談としても、人生はまた別の方向へ進んだのでしょう。それもまた面白かったでしょうけど、少なくともインターネットのおかげで今の人生を歩んでいるといっても過言ではありません。
結婚していなければ子供たちにも出会えなかったわけですし、ペンギンの靴下が可愛いなんてことも知らないままだったのでしょう。
といった感じで、本日はそんなところです。よっぺま(@yoppema)でした。